夕方から小雨が振り出してきた。小さな雨つぶをガラス窓の向こうに見ながら、動物霊園に出かけた。静かな山に見守られるように、サブくんは眠っているのね。サブが天国に行ってから、ここにははじめて訪れることになる。あの時は、その霊園の方が車で引取りに来てくださってその後のことはお任せした状態だったからね。サブが車で連れて行かれるのを不思議な感覚で、家の前で見送っていたっけ。 
 サブの眠るその場所には、なんの思い出もないところだから涙をこぼすことも無く、「あいにきたよ〜」という風な感じだった。そして、「またくるよ〜」と悲しい気持ちはなしで帰ることが出来た。やっぱり、家にいるほうがサブのことを思い出す場所があっちこっちあるので、思い出しては・・・。この前、愛知池のほとりを通った時「サブ、嬉しそうに歩いとったなぁ・・」ってKさんが懐かしがってポツリと言ってた。そうか・・Kさんはサブとの思い出がいっぱいあるものね・・。