古いノート

バナナクイックブレッド

 日中の暑さとは違う、夜の空気。
 窓の外には満月に近い月が浮かんで。
 少ないけど、星もそばにいる。
 今日、末っ子が家に来て自分の小さなときからの写真を探しに来た。
 古い写真の入っている段ボール箱を探すついでに、
 古いもう捨てていたと思っていた大学ノートに書いた家計簿が出てきた。
 入出金のついでに、その日のことが書いてあって。
 まだ小さい3人の子供たちのことを記しているわたしがいた。
 なんて優しい眼差しなんだろう。
 こんな母親だったのね・・
 すっかり忘れてしまっていた、時のかなた。
 あの頃、毎日毎日、今思うと一生懸命だったんだ。
 その日その日に追われて、先のことも過ぎたことも考える余裕もなくて。
 その先のわたしが、こんな風ではその当時の自分に申し訳ないような気にさえなる。
 人生は長くて、いろんな時期はあるもの。
 だけど、ふと振り返ったときに、
 その振り返ったときが精いっぱいに生きていたんだと思えるのって素晴らしいこと。
 何でもかんでも捨てるのではなくて、置いておくのもいいことだね。
 古いノートに励まされたような日だった。

 バナナクイックブレッド、久しぶりに焼きました。型出すのに失敗の巻。