山形食パン

山形食パン

 「うるせぇい!」
 えっ・・・初めて聞いた・・。
 ちょっとびっくりしたけど、私は心なしかちょっと清々しかったのです。朝、出勤を控えての時間でした。
 怒鳴ったのは長男Jで、チチであるKさんに。
 原因はささやかなことで、Kさんが言った言葉に返してなんです。
 こんなこと、男子がいる家庭なら何ともないことなんでしょうが、長男Jはちがうんです。チチと話をしなくなって、もう10何年・・。節々で大事なことやなんかは、そのたびに幾度となくKさんが話を出来ない長男Jに対しては、新聞広告のチラシの裏に書いて書いて・・Jに渡すと言う風でした。
 長男Jとチチとはまだ打ち解けることはないのですが、歳を重ねるに従って柔軟かつ丸くなっていくチチと家のことを思ってくれるJとは、交わることはなくても、気にさへしなければ差し支えのない関係と言うかなんとなく、改善もしないまま時の過ぎ行くままに、と言う風なのです。
 今朝の長男Jの一言は、私にとっては初めてチチに反抗的な言葉を思いっきり言ったのね!となぜか嬉しかったのです。ふつうは多分、親に対してある日親を超えるこのような言葉を吐いて反抗期を超えて行くんでしょうが、長男Jにはそのような時期がなかったのです。心の中ではあるのに、何も言えないままここまで来てしまったのでした。
 どうしてこんな風に心が育って行ったのか・・、それはまた違う機会に書く時があれば。

 夕方Kさんに「Jくん、初めて違う?」って、笑って言うと、「そうやな、初めて喋ってくれたな!」って、意外な返事にドキッとしました。私は、初めて怒鳴ったねって言いたかったのに、Kさんにとってはそうなんだ・・。素知らぬ顔して「ほんと、初めて喋ったねぇ・・」と言いながら、ほんとに柔らかくなったオヤジの心にちょっとしんみりなのでした。

 あっ、取り留めもなく書きました。ただそんなことがあったことを、書きとめたくって。

 さてそんなKさん、この前実家に帰って釣ってきた魚を解凍して夕食にと、アジの塩焼きとつみれを作ってくれました。
 アジを捌いてつみれにする段階まではKさんの仕事。ねぎやショウガを切ったりしてつみれにするのは私の役割です。塩焼きも、焼くのだけは私。らくちん。昆布のだしでしょう油で味付け。うん・・うまい!と今、Nくんが食べてます。

 この夏から手作り畑の直行便のピーマン。もう最後らしい。ほんとによく食卓に上り助かりました。ありがとう、ピーマンくん。と、Kさんっ! これは明日、何のメニューになるかな・・