忘れ得ぬ日

ジンジャーブレッド

 新聞の一面記事に今日2歳になる子とその家族が明るい顔で映っていました。震災で何もかも流されたけれど、残った命。明るい未来につながることを約束されたかのような希望にあふれた笑顔があります。同じ新聞、最後のページには肩を落とした横顔の男性が写っていました。あの日、最愛の妻と次女を亡くしてしまわれた方。まだ失意の底に居るかのような悲しみが伝わってきます。
 わたしなんかには計り知れない、様々なこと。2時46分、テレビの前で黙祷させてもらいました。あの日あの時間にいた同じところに行って、黙とうしようかとも思いましたが、そんな自分に酔うようなまねはしないでおこうと家に帰りました。そこに行ってわたしだけの感傷に浸りたいなんて、今日は止めました。いつも心に留めておけばいい、日常のありがたさは。