夜風にありがとう

プルマン

もうすぐ深夜の2時だと言うのにこんなことしている。
蒸し暑くて、夕方からさっきまでずっとエアコンは付けっ放しになっていた。
仕事帰りにらくだ書店に行って、一月遅れの『暮らしの手帖』を読みふけっていた。
久し振りに、好きなパンと紅茶で1時間半ほど。
4時ごろ家に着いたら、雨が降っていたようだった。
洗濯竿に雨だれが並んでいた。干していたバスタオルが少し重くなっていた。
ご飯ものが食べたくて、残っていたお味噌汁と冷蔵庫にあるものでお昼ご飯に。
そしてダラダラと過ごす。
「明日の夜の食事会、一人欠席になったんだけどキャンセルできる?」
ってメールを読んだのは仕事が終わった時。
その参加できなくなった人からわたしにメールがあってもよさそうなのに・・
などと、心の狭い自分。
ついさっき、本を読んでさわやかな気分になっていたのに。
相手を思う心遣いがマナーというものの根本、だよね、なんて思っていたのに、
心の中の悪い虫がいるのだ。
きっとあの人はいま大変だから・・などと気遣う余裕さへない自分。
そんなお付き合いならもう止めてしまう?
それが出来ないんだなぁ。
100%の信頼でつながってる人いるのかな。
親しげでも、どこか何か自分と違うし、それでいい。
こんな夜更けにこうしているのは、末っ子の帰りを待っていたからだ。
安曇野に行くって朝早くに出て、1時ごろ帰って来た。
野沢菜買ってきたよ」
「ありがとう」
「ワサビの何か食べて来た?」
「そば食べた」
「お風呂入ってね」
朝出勤が早い彼が先にお風呂入るように、待っていた。
一言何か言ってよって、色んな人に求めてる。
このこだわりが疲れる原因の一つかもしれない。
相手に何か言葉や態度を期待するからむなしくなる。
あぁ、夜風が涼しい。
ありがとう、夜風さん。
わたしはこうして感謝することが好き。
それでいいじゃない。