呼び名

ゴマ入り食パン

 朝着て行ったカーディガンを、帰るときには手に持っていました。そんな暑い日、今日も。家に帰ると、扇風機をつけて首振りにしてから、椅子に座りました。それでちょうどいいぐらい。夕方も夜も扇風機は回っていたままです。気温の上昇が、なんか気になります。
 昨日の話の続き。
 夜家の電話に○いけさんから掛かってきました。久し振り過ぎて、何から話せばいいのか。お互いに呼び名は旧姓で、かつて大阪時代に呼んでいた姓で。おっとりした感じはそのままみたいで、声だけ聞いているとその昔となんら変わらない気がします。
「○○さんはすごく前向きやったから、今でも元気に頑張ってるんやろなって思ってたわ。声が聞きたいなって思って、さか○さんに携帯番号聞いたんよ。そら、誰か分からないから出ないよねぇ。」
「そうやったん・・」
「○○さん、男の子3人って大変やったでしょう。」(男子3人産んだと言うのは聞いていたらしい)
「○いけさんとこは?」
「一人だけや、もう32になるねん。結婚して東京に行ってる」
「へぇ〜。いいね、そしたらもうお孫さんも居たりして?うちなんか誰も結婚してないよ。」
「いやいや、孫かて1回しか会ってないよ。お嫁さんと合わへんのよ」
あ、こんな話の前にいきなり、
「わたし、なんかしんどくて。体もあちこち悪いしね。家の人もう長いこと『うつ』なのよ。大変よ、精神的なもんやしね。会社も行ったり休んだりで、長いわ。もう38歳の時からやからね。」
って、そんな話を聞かせてくれました。色々大変なんだなぁ。時系列とは行かず、いっぱいランダムに話をしました。と言うか、聞きました。
「わたし、メールとか苦手やから、また掛けていい?これからよろしくね。」
「いつでも掛けて来てね。」
 最後に会ったのがいつかさっぱり思い出せないのですが、何十年単位のこと。こんなこともあるのね。二十歳過ぎのままのわたしが彼女の中でずっと生きていたことがなんだか嬉しいと言うか、不思議な感じです。
 わたしは結婚して呼び名が変わって、それはそれでいいんだけれど、旧姓で話してもらうこの何とも言えない心が躍るような無邪気になれるような感じが居心地いいのです。旧姓が良いて言うよりもその時々の呼び名って素晴らしいって思えます。
 先日お味噌を一緒に作ったのを分けてもらった前職場の友達からは、その時のあだ名でいまだに呼ばれてその響きが好きだし、呼び名はいくつもあって夫々に心がホンワカするのです。