59歳に

 朝目が覚めた時、あぁわたしはいくつになったのってひとり言言ってみた。
 59歳かぁ・・
 ふと思い出してみた。
 二十歳になるのが嫌で、その日一人旅に出たわたし。 
 あれから、39年経ったんだ。
 われながらすごい。 
 すごいと言っても、ただその膨大な時間が。
 
 今朝は小さな雨が降っていて外は暗かった。
 雨が降っているのに朝焼けが見えた。
 薄紫とピンクとが合わさったような明るい色で。
 なんだか誕生日を祝ってもらっているようで、一人微笑んでいた。
 
 朝のテーブルの片隅に、メモ書きがあった。
 邦ちゃんからまた何か用事かな。
 でも違ってた。
 
 ささやかな幸せをほんのり感じた。

 午後、仕事帰りに友達と待ち合わせた。
 やりくりに苦しい中、わざわざプレゼントを用意してくれた友達。
 ありがとう、ありがとう。
 
 自分へのケーキは焼かなかったけれど、昨日、か○ちゃんから頂いたケーキを食後に邦ちゃんと末っ子と一緒に。わたしは昨日と今日で半分ずついただいた。家族の分4つに切ってきれいな箱に入れてもらっていたかぼちゃのチーズケーキ。皆で美味しいねぇ。そんな59歳の誕生日だった。