梅雨空

あんずでジャム



 杏でジャムを作りました。生協で買った杏にはジャムのレシピが載っていて、その通りにレンチンでやってみたら上手く行きませんでした。やっぱりお鍋に入れて弱火でことこと、実を軽くつぶしながら煮ることに。これが一番作っていても楽しい時間ですね。甘酸っぱい匂い、食べてみると酸味があって、これこれ!と言った感じです。杏のジャムは初めて作りました。

 日曜日の朝は雨ふりでしたので、家事もゆっくり。起きて黒豆を煮ながら洗濯機にスイッチを入れて朝ごはんものんびりと。プルマンを切って畑のトマトやキュウリを載せてオープンサンドにしました。最近ハマっている煮小豆も一緒に食べます。

 畑のミニトマトもよく育ってきています。邦ちゃんと日曜のランチに行く前に畑によってトマトやキュウリ、ピーマンを採って来ました。梅雨らしい空模様でランチの後買い物をして帰るぐらいになると雨がパラパラと降ってきて、先に畑に寄っておいてよかったねと話していました。その後ずっと夜も雨、月曜の今日も朝から雨で、ほんとに梅雨を感じます。こんな風な梅雨らしい日も、また好きなのです。
 土曜の夜は月に一度の緑区時代の友達との食事会の日でした。言いたいことが言えて笑いのツボが似ていてホッとする時間です。同じように歳を重ねて行っているってことが大きいかもしれません。友達の一人は、徳島まで行ってきたのよと言ってお土産を買ってくれました。残りの3人に設問攻めにあうのですが、彼女は観光でもなく誰かと一緒でもなく、とにかく行先はどこでもいいから名古屋から離れたかったんだという事でした。名古屋(家)にいると精神的に疲れるのだと。色々だなぁ、家族って。わたしも少し気持ちを吐露したこともあって、「一人旅行かないと!」なんて言われたりして。

 夜ご飯にはたいていヨーグルトを食べています。作りたてのあんずジャムで。

 父の入所している老健には、お風呂に入る日に洗濯物を持って帰るのと着替えを持って行くのとを兼ねて、1週間に2回ほど顔を見に行っています。月曜日の今日はお風呂に入る日なので老健に行く日なのですが、施設から持ってくるように頼まれていたポータブルトイレマットをネットで注文したものが届くので、それが届くのを待ってから行こうと思っていました。
 そんな時に老健から電話がありました。看護師長さんからでした。父がコードなどを首に巻き付けていたと言うのです。「自傷行為」って言われてました。以前にこんなことがありましたかとか、色々聞かれました。全くそんなことするようなことはなかったし、「うつ」じゃないかとも言われましたがわたしは納得がいきません。以前に脳梗塞に罹って、そういう人はなることがあるんですよって。老健に入ってから、ここは嫌で仕方がないという事は言っていましたが、その事を老健の方には知らせていませんでした。そんな言葉を聞くたびにわたしは落ち込んでいましたが、仕方がないのかなぁと諦めていました。
 精神科の先生に診てもらってそういう事(うつ)なら薬を処方することになると言われました。父が死にたくなって自傷行為みたいなことをしたのは、うつからではないかと。今となってから思い浮かべるのもなんですが、老健の前に居た病院ではすごく穏やかな顔をしていた父でした。老健に来てから「あの病院に帰りたいわ。なんとかまたあの病院に行くようにしてもらえんかなぁ」って、言っていた言葉をわたしは努めて軽く受け取り、少しうっとうしくも思いながら「あそこは病気になった人が行くところだから」と取り合わなかったのでした。
 ついこの間も「こんなとこにいるんなら死んだ方がましや」などと言う言葉を、聞きながら、何が嫌なのか少し聞いただけで、具体的に話さない父に対して、突き詰めて聞くこともせずに後ろ髪を引かれる様には感じながらも老健を後にしたのでした。
 施設に入ったら安心できるって思っていたわたしは浅はかだったのかしら。