山型食パン

山型食パン


 夜、友人からのお誘いがあって珈琲屋さんへ。
 笑顔の中に隠しきれないとても疲れた表情が見え隠れしている。実母になる人の介護疲れが出ているのだ。たぶん私と会うのは、気分転換だったり聞いてほしかったり・・なんでしょう。全然他人ごとではない話のはず。わたしは彼女と同じ経験はまだしていない(もう出来ない)ので聞いてあげるだけしか出来ない。
 そして、いつか自分たちも辿って行く道なんですが。そんな先のことではないはずなのに、何にも考えないで後回しにしてしまう。
 安心して年齢を重ねていける、そんな社会だったらいいのに現実はどうなんだろう? 
 どんな時も何でも相談できる伴侶を色んな意味で失ったら、どんなにか悲しいだろうな。心細いだろうな。私は彼女の話を聞くたびに、(反面教師として)人に感謝することや、そこにあるささやかな幸福がどんなに大切なものかと、痛感するのです。