桜の風景

バターロール

 車で走る道すがら、そこここに桜の花が満開です。ここに桜の木があったんだねって、花が咲いた時に思い出すという。一年中で最も脚光を浴びる時なのかな。桜の木は一年中と言うかもう何年もそこに居るのにもかかわらず。ピンク色の花が咲いて目を向けられるのですね。運転していても、そこは素直にきれいだなって思える瞬間です。今日ははらはらと花弁が舞っているのも見えました。あっという間に散りゆくからこそ誰もが集中して目を向けるのですね。美しいと。そして、目を閉じると浮かぶ桜の風景があります。人それぞれでしょうが、わたしにとっては、それは育った斑鳩の風景です。こんもりとした小高い三室山、山が全体に桜に覆われて、登って見ると斑鳩の里がぼんやり桜など柔らかな色をして見晴らせるのです。懐かしい。故郷は遠くにありて思うもの・・なのかな。行ってみたいところ、なかなか行けない所、いつも心に残るところ。育ったところには何もかもなくなっても、そこに居た日々は無くなりはしないのです。って、こんなこと書く気は全くなかったのに、書くことって不思議。だから面白い。
 今日は、先日依頼していた五月人形の修理ができたという事で、お店に受け取りに行って来ました。お店で確認して、顔の部分は紙で包んでもらって、また箱に入れてもらいました。「今日はお天気もいいので、どうぞお家に帰られたら出してあげてくださいね」と言われたのですが、そのまま末っ子の家に持って行くつもりで開けませんでした。どんな人形で大きさも形も伝わってはいないのですが、飾ってくれるというので、大事にそのままにしておこうかと。週末は留守になるとのことなので、来週にでも箱を開けられるかと思います。何十年もほったらかしにしていたのに、げんきんなものです、わたし。

 27日(火曜)が邦ちゃんの62歳の誕生日でしたが、その日はお赤飯だけでおめでとうでした。「じゃあ、ステーキは金曜日に食べよか?」って、だれかの誕生日は決まってステーキを食べる我が家の恒例をあくまで貫くようです。それじゃあやっぱりバースデーケーキを作らねばと思い立って、いつもの様に代り映えのしないやつを作りました。日にちが遅れたけれど「おたんじょうびおめでとー」と言うと、「だいぶ遅れたけどな」って、ぼそっと言ってました。子供だなぁと感じる瞬間です(笑)と同時に『その当たり前感止めて!』と心で呟く瞬間でもあります。でもまあ、なにはともあれ、こうしてお互いに年を重ねて行っているのは、ある意味奇跡でもあるのでしょう。当たり前ではなく奇跡。