萩の花とサンキライの葉
秋風は
涼しくなりぬ
馬並めて(なめて)
いざ野に行かな
はぎの花見に
作者未詳
何気なく付けたテレビで萩の花が出ていたので、家事の手を置いてテレビに見入ってしまいました。
秋になると萩の花咲く奈良のお寺を思い起こします。
その中でこの万葉集の歌が詠まれていました。
古の或る日、きっと身分は高いお人なのでしょうが、今のわたしみたいに萩の花を思って野に行かれたのですね。歩いては行かなくて馬なのですね・・。
テレビの前で暫し奈良に思いを馳せていたのでした。
そんなわけでという事ではないのですが、昨日はおはぎを作ったのでした。
いつもより少し丁寧にあんこを作ったのですが、それを知ってかどうか邦ちゃんはいつもより美味しいって。ほんまかいな。
先日もち米をいただいたので、それを使いたかったのですが、残っているもち米で調度の量なので、今回はそれを使い切ることにしました。
もち米も小豆も砂糖も同量の200gで、14個作りました。
お手頃の大きさで、邦ちゃんも大好物だし昨日と今日でなくなりました。
萩の花よりおはぎのことになりましたか(笑)
和菓子繋がりの写真があります。
先日講習があった日に先生が持って来てくださったお菓子です。
近くの和菓子屋さんで買ってこられたそうです。すぐに「あ!サンキライの葉のお餅!」と声を出して喜んでしまいました。懐かしいお菓子なのです。
何十年も昔のこと、夏休みに父母の故郷に帰るたびに、父方の祖母が庭で蒸して食べさせてくれました。その時は当たり前の様に食べていたものが、時が経つとその掛け替えのなさと言うか貴重なものなんだと改めて思えるのです。
サンキライの葉を採りにどこまで出かけて行ったのでしょう、今の様に便利な道具の無い時にどんなに手を尽くしてこしらえてくれたのでしょうか。
一年に一度会える孫のわたしたちの為に、祖母はどんな思いで作ってくれていたのでしょうか。ほんとに、改めて胸が熱くなります。そんな気持ちは祖母にも父にも話したことさえありません。
このサンキライの葉で挟んだお餅、地方によって使う粉も色々でお餅の呼び名も様々あるようです。父母の故郷の愛媛にて、わたしの記憶では「ばっぽ」と呼んでいたようですが、もうそんなこと話す機会はないのでしょうね。
こんな風に出会えたお菓子に胸は懐かしさでいっぱいになり、しみじみとしていたわたしでした。奥深いお菓子のパワーをも感じました。
それにもう一つ、懐かしのお菓子を買っているのですが、まだ箱を開けてないのでそれはまた次回にでも。すごく楽しみ。
邦ちゃんが作った鳥さんのための台です。餌付けするために。
りんごの皮を置いておきましたが、見てみるとアリさんが群がっていました。ガーン。
鳥さんがここに来る日があるのでしょうか。招かざる客だけが来るってことももあるんですよね。
わたしも・・・
馬を連れてじゃないけど、Go Toトラベルで萩の花咲く奈良のお寺にでも行きたいなぁ。ま、萩の花はすぐ近くにでも咲いているのですが。わたしの中で萩の花は薬師寺に咲いているのです。何十年も行くことが無いのですが、はっきりと浮かぶ風景は消え失せません。